弁護団が見つけた「炎症のあと」

 争点となった希愛ちゃんの「頭の中の出血」。しかし、頭の外側にケガはありませんでした。そこで、弁護団が心臓の組織を調べたところ炎症のあとが見つかりました。暴行ではなく心筋炎という病気で心肺が停止した可能性が浮上しました。

 では、なぜ「頭の中に出血」があるのか。弁護団は専門家を訪ねました。

(川﨑拓也弁護士)「(検察側は)出血が多いから外傷だと言っているんですが」
(国際医療福祉大学・松野彰教授)「外傷だから多い、内因性(病気)だから少ないと言う議論は全く間違っている」

 専門家によると、いったん心肺が停止すると酸素が行き届かなくなり脳の血管などが弱ってしまいます。その後、蘇生して心拍が再開すると一気に脳へと血液が流れます。すると、弱った血管が破れ出血する可能性があるというのです。

 2023年5月、控訴審が始まりました。今西さんは一審判決後から、拘置所での面会や手紙でのやり取りに応じ、(取材に対して)控訴審への期待を語ってきました。
9.jpg
(今西貴大さん)「やっと待ちに待った控訴審の第一回公判がおわりました。当日の朝はすごくドキドキしていました。正義の裁判が行われると信じてやみません」