手間、コスト…提供側の思いとすれちがいも
調査の2日前、生徒たちは小麦粉の代わりに米粉を使ったパンをつくる店を訪れました。
小麦は3大アレルゲンのひとつで、アレルギーの人が食べると重篤な症状を起こす恐れもあります。
オーナーの原田さん夫婦は、小麦のアレルギーのある人にもパンを食べる幸せをと、アレルギーの心配が無い米粉でパンを焼いています。
生徒たちは提供する側の思いや、食べ物を安心して口にするにはどんなことができるかを聞いて、問題解決への突破口にできないかと考えました。
生徒
「祭りのお店の方と協力してQRコードみたいなのをつくって…」
生徒たちは消費者への情報提供について考えていた対策をぶつけますが、原田さんから厳しい現実が突きつけられました。

米粉88原田修平さん
「そもそも食物アレルギーに対する知識がない人が多くて『アレルゲン物質が入ってますか?』っていう質問に対して、答えられない人がかなりいらっしゃると思う」
提供する側にアレルギーについての認識がなければ、情報を提示する以前の問題です。また、多すぎる情報は消費者を混乱させます。
米粉88原田修平さん
「どこまで気にされてどこまでの情報が欲しいのかというのは個人的にはどう思いますか?」
原田さんは生徒たちの思いを尋ねました。
中田銀時さん
「自分は気にすることといえば、添加物もそんなに自分は料理とかしなくて気にしたことはなくて、気にするのはどこの国でとれたかとか…」
原田さん
「原産国?」
アレルギー、宗教など、食べられない理由はさまざまですが、議論の行き先は少しずつ定まらなくなってきました。
原田さん
「どうですか?」
梅田さん
「…国産の方が…おいしいんで…」
小麦粉を米粉に代えればアレルギー問題は大きく解決に進むと考えましたが、簡単ではありませんでした。

米粉88原田陽子さん
「吸水率がお米の質で変わってくるので、水加減で膨らむ膨らまないとかもあるので」
小麦粉と比べれば材料費もかかるうえ、つくる人の技量によって味は大きく違ってきます。
高校生たちは何を調べるべきか、どんな解決策を示すのかをゼロから練り直すことになりました。
中田銀時さん
「ぼくたちは今までお客さんの目線で考えてきてばかりいたからかみ合ってないなというのを感じたんですけど、かみ合ってないっていうのは、原田さんはお店側の視点に立ってるからで、そういう視点がぼくたちにも必要なのではないかなって」