4月、岩手県遠野市に地域おこし協力隊の一員としてアメリカ人のタイ・バーホーさんが着任しました。バーホーさんはインドの伝統的な打楽器「タブラ」の世界的奏者でもあります。なぜ遠野に移住し、ここを安住の地としたのか?背景には現代のアメリカ社会を覆う不安がありました。

16日、遠野市民センターで市民向けに国際理解講座が開かれました。
講師に招かれたのは4月から地域おこし協力隊員として活動するアメリカ出身のタイ・バーホーさん(60)です。
バーホーさんは妻と子ども2人を連れて遠野に移住し、現在、遠野の土地や人々、コミュニティーについて学びながら、職人や伝統をつなぐ人々の活動とインタビューをドキュメンタリーにして、動画投稿サイトなどを通じて世界に紹介しています。

バーホーさんはインドの伝統的な打楽器「タブラ」の演奏者という、もうひとつの顔を持っています。
タブラは2つの太鼓を指や手のひらを使ってさまざまな音を出しながら演奏する楽器で、「世界一難しい打楽器」と称されています。
インドの巨匠ザキール・フセイン氏に師事し、インド伝統音楽の枠を飛び出してロックやジャズといった音楽ともコラボレーションし、スティング、スティーリー・ダンといった世界的なアーティストとも共演するなど、これまで25年間にわたって世界各国を周って演奏してきました。

(タイ・バーホーさん)
「幼少期はもちろん音楽もそばにあったけど、自然が私の中の大きな世界を占めていました」