岩手県内でクマの人身被害が相次いで発生している。10月1日に岩手県矢巾町でクマに襲われた男性(73)が取材に応じ、当時の状況を語ってくれました。

1日午後6時ごろ、自宅近くの畑で栽培しているネギを収穫して、道路をはさんだ自宅に戻る途中…
暗くなった自宅近くに動物がいるのを発見しました。

男性がクマに襲われた現場
最初にクマを目撃した場所


すると、突然その動物がうなり声をあげ、すごい速さで男性めがけて襲いかかってきました。男性は逃げる間もなくその衝撃で押し倒され、ズボンの上から右足を爪でひっかかれました。

(男性)
「瞬間的な出来事でクマではなくイヌかと思った。だまって見ていたら、真っ直ぐ向かってきてクマかイヌか分からなかったが傘で防御した」

男性が応戦した傘
クマに襲われた現場に散乱するネギ


押し倒されたあと、男性は手に持っていた傘を必死に振り回しながら大声を出して動物を追い払いました。動物が西の方に立ち去って、街灯に照らされた時に、初めてクマと分かりました。クマと対峙した時に持っていた傘は、くの字に折れ曲がっていました。

クマが立ち去った方向

(男性)
「逆に暗くて分からなかったからよかった。格闘している時はクマとは思わなかった」
その後、病院に運ばれた男性は手当てを受け右足に軽いけがをしました。男性は去年、自宅周辺でクマを見かけてましたが、今年に入って目撃したことはなかったということです。

(男性)
「自分が(クマに)遭遇するとは思わなかった」

2025年度、岩手県内のクマによる人身被害は10月2日時点で23件24人で9月以降に被害が増えています。