活動に合わせたコミュニケーション

――『ライオンの隠れ家』には“愛の掛け違い”というキーワードが隠れています。岡崎さんが思うコミュニケーションの大切さや、思いが食い違わないようにするための方法について教えてください。

齟齬が生まれにくい関係値を築くことは日頃から意識しています。仲が良かったり深い関係値にある人と話すときに、自分は話の内容を分かっているからと、主語や目的語を省いたり、簡略化したりすることがあると思うんです。けれどその内容を初めて聞く相手からすると「それって誰の話?」「いつのこと?」となってしまいますよね。なので、大人として文脈や文法などを正しく使うように心がけています。

――その意識はシンガーソングライターとして活動するときとは変わりますか?

音楽活動は、自分がやりたいと思ったクリエイティブをレコード会社などがサポートしてくれて、世に曲を出すことができる印象です。しかし、映像作品は大勢の人で作り上げていくものなので、俳優がいてそれをみんながサポートするわけではなく、照明部さん、撮影部さん、というカテゴリの中に俳優部がある、1つのカテゴリなんだと学びました。だから全員で歩幅を合わせないと関係値に齟齬が生まれてしまうというのは、俳優の仕事を通して学びました。