最近ではNHKみんなのうた「ともだちのともだち」を配信リリースするなど、シンガーソングライターとして活動している岡崎体育さんだが、俳優としての活躍もめざましい。『DCU〜手錠を持ったダイバー〜』(TBSテレビ系)やNHK大河ドラマ『どうする家康』などの映像作品に出演し、活動の場を広げている。
現在放送中の『ライオンの隠れ家』(TBSテレビ系)で演じるのは主人公の同僚で子煩悩な父親。ヒューマンサスペンス作品として重い展開が続くなか、岡崎は劇中でオリジナルソングを鼻歌で歌ったり、クスっと笑える場面で登場することが多い。音楽と芝居という違うステージで戦う岡崎さんに、表現を続ける理由を聞いた。
音楽活動をする自分に逃げてはいけないと痛感

――普段、シンガーソングライターとして活動するなかで、映像作品に出演することについてどのように臨んでいますか?
俳優としてはまだまだ未熟だと思っているので、ドラマや映画に出演させてもらうとき、「シンガーソングライターの岡崎体育です」と挨拶してしまうんです…。同じくクランクアップで一言をお願いされても「普段やっている音楽活動とは別でこういった芝居の機会をいただけてすごくうれしかったです」と言ってしまっていたんです。でも今回、柳楽優弥さんたち素晴らしい俳優陣と芝居を交えていくなかで、そうやって音楽活動する自分に逃げてしまったらいけないなと感じました。しっかり周りの皆さんと歩幅を合わせて1つの作品を作っていくときに、自分も“俳優として”歩幅を合わせたいので顔合わせから「役者の岡崎体育です」と言えるようになりたいです。
――柳楽さんの印象はいかがですか?
俳優として素晴らしい方。カメラが回っていないところでも、すごくニコニコしながらお話してくださいますし、人として好きですね。こんな人になりたいなと思いますし、柳楽さんと僕は学年が一緒なので、もし学生時代に出会っていたら、僕から積極的に話しかけて、つるみたいと思っていたはず。まだどこまで踏み込んでいいのか分からず、敬語で話している状況なので、いつかタメ口で腹を割って話し合えるような仲になりたいです。
――そんな柳楽さんと芝居で対峙した感想は?
何でもできてしまう人なんだなとすごく感じます。これまで柳楽さんが出演されてきた作品を見ていて、個性的な役から寡黙な役まで、その役を演じるにあたって役に成り切る人だなという印象を持っていました。実際に対峙しても「これは芝居でやっているのか? 本当に現実世界で起こっていることなのか?」と混乱するぐらい、限りなくお芝居と現実との境目がない役者さんだなと実感しています。