売春して返し続けた岡村被告への借金については「借りた覚えはない」「額は分からない」

検察側は冒頭陳述で「岡村被告は和美被告から平成16年(2004年)頃から総額約5800万円の送金を受けていた」と主張。

送金した和美被告は「借金を返済するために売春で得た金を送金していた」などと話す一方で自分が返している借金について”何のために借りたか””いくら借りたのか”がわからないと言った。

検察官:「どうして送金していた?」
和美被告:「(岡村被告に)お金を貸しているといわれていたので」

検察官:「いくら?」
和美被告:「額は分かりません」

検察官:「あといくら返さなければいけなかった?」
和美被告:「分かりません」

検察官:「借りた覚えはある?」
和美被告:「いいえ。私にはないです。残していた子供たちにお金とかを渡していたのではないかと思っていました。じゃないと貸している意味が分からないので」

犯行に使われたスプレーは…知人の女”岡村さんからもらったお金で購入”

検察側は、犯行に使われた催涙スプレーについて和美被告に質問した。

検察官:「どこで入手しましたか?」
和美被告:「その日(事件の日)岡村さんに(車に)乗せていってもらって購入しました」

検察官:「代金は?」
和美被告:「岡村さんからいただきました1万円札です」

「岡村さんと合流して水巻に送ってもらいました」催涙スプレー購入後、2人は水巻町へ

検察官:「買った後は?」
和美被告:「岡村さんと待ち合わせして合流して、水巻の病院のところに送ってもらいました」

検察官:「降りるとき何か持っていた?」
和美被告:「ポーチの中に催涙スプレーとガムテープ、結束バンド、スマホを持って行きました」

検察官:「実家でどうした?」
和美被告:「姉に(玄関ドアを)開けてもらって家に入りました」

検察官:「その後は?」
和美被告:「居間で姉と向かい合いになって、姉にお金を貸してもらえないかという話をしたら、案の定(以前の借金を)返していないことを言われ、預けていた子供のことを言われ、だんだんエスカレートする感じがありまして、もっていた催涙スプレーを姉に噴射しました」

検察官:「かけたらどうなった?」
和美被告:「目を押さえたままガタッと立ち上がって両サイドがガラス張りで動いたら危ないと思って、仰向けに倒しました」

検察官:「その後は?」
和美被告:「それからうつ伏せにして結束バンド。両手首足首を結束バンドで(縛った)。近くにあったビニール袋で猿ぐつわを口にしようと思ったんですけど、姉の口の端っこから血が見えたので、それを口にしたら痛いだろうと思ってやめて、バッグのありかを聞いて、バッグの方に移動しました」

検察官:「バッグは?」
和美被告:「すぐ目に付くところにあり、中身をチェックして通帳と印鑑と車の鍵が入っていたのでそのまま出ました」