去年6月、福岡県水巻町で殺意はなかったものの知人の女と共謀して知人の姉を殺害し、通帳や印鑑などを奪ったとして強盗致死の罪に問われている無職の岡村恵美被告(48)。14日の初公判で知人の女との共謀を否定し、無罪を主張した。

19日の裁判では、姉に対する強盗殺人罪などで1審で無期懲役の判決を受けた知人の女が出廷した。知人の女は、売春で稼いだ現金を約20年にわたって岡村被告に渡し続けていた。

合計5800万円もの大金を受け取っていた岡村被告と渡していた知人の女。謎が多い2人の関係について知人の女は何を語ったのか。

知人の女と共謀したとされる強盗殺人事件 岡村被告は殺意がないとして強盗致死の罪に問われる

小倉北区の無職・岡村恵美被告(48)は去年6月2日、福岡県水巻町で辻和美被告(52)と共謀して和美被告の姉・つぐみさん(当時52)の顔に催涙スプレーを噴射し、首を圧迫したうえ両手両足を結束バンドで緊縛。

つぐみさんを窒息死させたうえ、通帳3冊や印鑑などを奪ったが岡村被告には殺意はなかったとされ強盗致死の罪に問われている。

一方、共謀したとされる和美被告は、強盗殺人の罪に問われ、今年8月、1審の福岡地裁小倉支部で無期懲役の判決を言い渡された。(その後控訴)

14日に開かれた初公判で岡村被告は「私は共謀していません。無罪です」と起訴内容を否認している。

共謀して強盗殺人事件を起こしたとされる”売春収入を渡していた女”証人尋問

19日、検察側が申請した岡村被告と共謀したとされる和美被告の証人尋問が行われた。

上下ジャージ姿で法廷に入ってきた和美被告の姿を見た岡村被告は、いきなり震えながら泣き出した。

その後も和美被告を直視しないよう下を向いたり顔を背けたりしたため、審理開始後に弁護士が「被告の精神状態を保つため証人と距離を置きたい」と裁判長に要請。

裁判長がこれを認め、岡村被告の座席は証言台から50センチほど遠ざけられた。

共謀したとされる女が語る犯行動機「岡村さんのお宅がお金に困っている…」

和美被告は、2008年ごろに夫と2人の子供を残して失踪。その後はホームレスになり売春で生計を立てていた。

現金が必要だった理由について、和美被告は「岡村さんのところのお宅がお金に困っているっぽかったので、姉に泣きつこうと思った」と話した。

検察官:「なぜ岡村被告は金に困っていた?」
和美被告:「私が思っていたのは、娘がPTSDで入院しているということで、その入院費が払えていないと思ったので」

検察官:「なぜ娘は入院していると思っていた?」
和美被告:「そう聞いていました。岡村さんから」