「103万円の壁」の見直しについて、自民・公明・国民民主による協議が継続されています。地方では、子育てや教育など、行政サービスへの影響を懸念する声が広がっています。
「退職しようかと」訪問看護の現場にも“年収の壁”

97歳の篠原繁造さんは、心臓にペースメーカーが入っており、週に2回、訪問看護を利用しています。
1年通う看護師に強い信頼を寄せていますが、「年収の壁」の問題は訪問看護の現場にも暗い影を落とします。

年収の壁には、年収が103万円を超えると生じる所得税の壁、106万円以上や130万円以上になると生じる社会保険料の壁があります。
訪問看護ステーションブロッサム 西村直之 代表
「『106万の壁』にぶち当たっている人が大半」
西村代表の訪問看護ステーションでは、所属する看護師のうち90人以上が「106万円の壁」に直面しています。

訪問看護ステーションブロッサム 西村直之 代表
「全体の106人分が書かれている。扶養範囲内シフト調整は8人で約30稼働分になります。別の看護師へ調整をしていかなくてはならない」
働き控えをする看護師の穴を埋めるため、採用活動を行うなど手を尽くしてきました。しかし…
訪問看護ステーションブロッサム 西村直之 代表
「扶養範囲内で働く看護師から突然LINEが来た」

看護師からのメッセージ
「今月11月より老健の方で勤務しており、扶養範囲内での勤務のため、今お勤めさせていただいているgraceを退職しようかと考えています」
訪問看護ステーションブロッサム 西村直之 代表
「『106万の壁』は、利用するお客様(患者)には何も関係ない。患者さんに精神的な不安を与えることがないよう、スタッフ配置をものすごく気にかけている」