自分自身を客観的にとらえる“新たな手法”導入
薬物事犯の受刑者
「これで溶けていく、だんだんと覚せい剤が。5~6回くらい引いていると最後までぷしゅーっと入る」

集まったのは薬物関連の罪を犯した4人の受刑者。薬物の依存から抜け出すための指導に取り入れるのは「オープンダイアローグ」という手法です。
フィンランドの精神科病院で始まったもので指導者と受刑者のほかにやりとりには加わらない聞き役を設けます。どういう時に薬物を使っていたかを振り返ると「1人の時に」「自宅で」という回答が重なりました。


聞き役の刑務官
「例えば、皆やっている仲間と飲んでいるときもやらないのか?虫が湧くということが起きないのかと疑問に思った」
聞き役は感想や疑問を述べるにとどまりやりとりには参加しません。第3者の立場である聞き役の意見から受刑者は自分自身を客観的にとらえることができます。


受刑者
「薬物を使用しない担当さんたちが自分らに思う疑問というのを聞いて、薬物を使用しない人にはわからないようなこともあると思いました。」
刑務官
「社会復帰後の再犯防止というところに受刑者と職員共に向かって歩いていくことが1番重要だと思います。そこに向かって職員も受刑者も最大限の努力をすることが必要だと感じています」
受刑者が出所後に再び罪を犯さないために。そして、新たな被害者を生まないために。改正刑法の施行を前に刑事施設の在り方が今変わり始めています。