「呼び捨て」から「さん付け」に 受刑者の反応は…

受刑者
「威圧感が無くなったりというのは思います」
「さん付けに変わったりとか、人として見てくれているのかなと」

金沢刑務所・湯浅康一所長
「呼び捨てにすることで、彼らの人権をしっかりと保障していないのではないかという誤解を招くことがあってはいけないのでそのような呼び方に変えました。指示的命令的な刑務官の冷たい印象が少し変わってきたのかなと思います」

金沢刑務所・湯浅康一所長

個人を尊重するために金沢刑務所が今力を入れて行っているのが刑務官と受刑者が対等な立場で語り合う「面接指導」です。

こちらの男性は他の受刑者の目線が気になり生活に馴染めないという悩みを抱えています。

生活に馴染めないという悩みを抱える男性

受刑者
「運動中一緒になる方は結構話しやすいですね」
刑務官
「自分から話す人ですか?」
受刑者
「はい、結構深い所まで話します。」
刑務官
「そんな人がいるということはとても大切だと思いますよ。自分の弱さを見せることで自分を吐き出せて楽になったりもしますし」

面接を行うのは心理カウンセラーなど専門職の職員ではなく刑務官です。

面接指導を行う刑務官

金沢刑務所・湯浅康一所長
「制服を着た刑務官が改善指導をしていかなくちゃいけないという時代が来ます。刑務官というのは日々受刑者の生活ぶりを見ていて非常に洞察力観察力に優れています。だからこそ刑務官が切りひらいていける改善指導が見えてきました」

受刑者
「自分の思っていることを言えてすっきりしています。褒められたりとかして、この先どうしようとか先のこと考えられるようになるので自信は湧きます」
刑務官
「厳しくやっても中の人たち=収容者からは反発しか出てこないので、ちょっと緩くなればもっと指導に前向きになる収容者も増えて良いのではないかと僕は感じています」

さらに、改善指導の一環として行われている年に一度の取り組みがあります。金沢刑務所で年に一度開かれる工場対抗の「運動会」