限界集落で生き抜いてきた本音とは

こうして限界集落で暮らしていく上で、大切にしていることを教えてくれました。

佐藤富世司さん:
「この歳になってくれば体を動かさなければだめになる。(Q.稲子にいるから生きていけるんですね。)何かの仕事をやっているからこそ考えることを考えながら仕事している。考えながら仕事をしてるからいい」

今まで私たちの問いかけに「一人は寂しくない」と語っていた佐藤さん。最後に本音を漏らしました。

佐藤富世司さん:
「(Q.誰もいなくなったことは寂しい?)うん。(Q.寂しかった?)うん。今でもそれくらいの人や誰でもいいからいると良かったがいないから困ってる。(Q.稲子はいい場所だと思った?)たまに来る人はいい。毎日、毎日、暮らすのは大変だ。どこも一緒だよ」

場所がどこであろうとも生きることそのものが大変なこと。限界集落で生き抜いてきた背中からは、寂しさよりたくましさを感じました。

稲子では、14年前から積雪の影響で緊急搬送が困難になることなどを理由に冬の間は通行止めにしています。佐藤さんは、その間は七ヶ宿町の町営住宅で暮らしています。