陣営「ただ者ではない、気迫と運動量」 68歳でも磨きがかかる選挙活動

地理を把握することからスタートした目黒区では、とりあえず街中に飛び込む“どぶ板作戦”で着実に知名度を広げた。10月に入ると、目黒区を重点的に朝2時間と夕方4時間、あわせて1日6時間にもわたって駅前に立ち続けた。通勤時と帰宅時の両方に立つことで、有権者の印象に残す作戦だ。土日になると、長い時には1日4時間も自転車で選挙区を回った。実際、目黒区に住む筆者の知人も「あの人、いつもいる。ずっといる人だ」と話していて、こうした地道な運動が新天地でも「見たことがある、名前を聞いたことがある」という有権者を増やすことにつながり、着実に票が積み重ねられたと考える。松原氏の選挙戦を支える陣営の責任者ですら「ただ者ではない気迫と運動量。68歳の現在でも磨きがかかっている」と舌を巻いていた。

選挙期間中の取材では、松原氏本人からも“無所属”としての危機感を垣間見ることがあった。結果的に、その不安をパワーで押し切った選挙戦となったのではないだろうか。