卵を洗ってから冷蔵庫に保管するのはNG
日本では通常、流通過程でパックに詰められる前に卵殻の表面の洗浄と殺菌がされるため、サルモネラによる食中毒のリスクはかなり低くなっています。
(2021年に農林水産省が発表した調査データでは、全国の市販鶏卵のうち卵の中身がサルモネラ属菌で汚染されていた割合は0.0027%程度と試算されています。)
しかし、汚染率が低くても間違った保管方法や扱い方をしてしまうと食中毒のリスクはゼロではありません。
安全に食べるためにはどんなことを心がけたらよいのでしょうか。

食品の微生物検査などを行う「東邦微生物病研究所」によりますと、以下のようなことがポイントだといいます。
ー保管方法の注意ー
①「生食」の場合は賞味期限以内に!
賞味期限は、万が一、卵内にサルモネラ属菌が存在している場合に「生食」しても問題が生じない期限のこと(殻付き卵の「冷蔵保存」が前提)
②卵を洗ってから冷蔵庫に保管するのはNG
パックに詰められる前に洗浄・殺菌処理が実施されているため、殻の表面を水で洗うと、無数にある微細な穴から雑菌が卵の中に侵入する可能性
③割った卵は、室温下で放置しない
特に卵黄と卵白を混ぜると細菌が増えやすくなるという報告も

ー調理方法の注意ー
①賞味期限が過ぎた卵は、十分に加熱して食べる
75℃以上で1分以上または65℃で5分間以上加熱
②ヒビが入っている卵は、しっかり加熱して食べる
③卵を割った後、混ぜた後はすばやく調理する
④調理後はしっかりと手洗いし、使用した調理器具・食器類は十分に洗浄・消毒する
また、乳幼児や高齢者、免疫機能が低下している人は、なるべく生卵を食べないようにするのがおすすめだということです。