“103万円の壁”引き上げへ事前検証を “手取りアップ”実現は?

小川彩佳キャスター:
宮田さんは“103万円の壁”の引き上げの議論をどうみていますか?

データサイエンティスト 宮田裕章さん:
いろいろな要因が複合しているので、これだけで改善するとは必ずしも言えないですが、“103万円の壁”というものが、女性の働く機会を封じ込める一つの要因になってるという指摘もあります。

こういった問題に対してどう向き合っていくのか。その一歩を踏み出すということ自体は大事だと思います。

小川キャスター:
“103万円の壁”の引き上げだけでは根本的な解決にはならず、“様々な壁”が生じていることはどう捉えますか?

宮田さん:
今回の政策は額がかなり大きいんです。これを一つの仮説だけでやるには少しリスクが大きいので、下調査というものもした方がいいと思います。

つまり、該当する年収の人たちが「条件が変わったら“働き控え”をやめるかどうか」を社会保険料のことも含めてしっかり提示した上で、状況がどう変化するのか調査も必要です。

また、政策を実現して終わりという時代ではないので、実施して結果が出るまで数年ということではなく、その結果、早急にどう状況が変化したのかを確認するということです。

これからは、ただ単に提案しただけではなく、成果のある政策を実現できたかどうか。それで政党が競っていく時代になるのかなと思います。

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<プロフィール>
宮田裕章さん
データサイエンティスト 慶応大学医学部教授
科学を駆使して社会変革に挑む