「何キロまで出るか試したかった」
2022年7月、大分地検は当初、男に対し最長で懲役20年となる危険運転致死罪の適用を見送り、懲役7年以下となる過失運転致死の罪で在宅起訴しました。
その後、小柳さんの遺族は危険運転致死罪への起訴内容の変更を求めて全国から集まったおよそ2万8000人分の署名を大分地検に提出しました。

2022年12月、大分地検は再度、現場などを調べた結果、危険運転致死罪の類型にあたる『進行を制御することが困難な速度で車を走行』『小柳さんの車の通行を妨害する目的で交差点に進入し車を著しく接近させた』と判断。より刑罰の重い危険運転致死罪に訴因変更しました。
また、捜査関係者によりますと、男は「何キロまで出るか試したかった」と供述しているということです。
全国では危険運転の罪が適用されないケースが相次いでいます。適用要件の明確な基準がないことから現在、法務省の有識者検討会が見直しの議論を進めています。
初公判後に小柳さんの姉、長文恵さんは会見で、「一瞬の事故でシートベルトがちぎれて車外に放り出されて腰から下は粉砕ですよ。何も言えずに私たち家族のもとからいなくなったんですけど、代わりにこのように声をあげてきてよかったと思う」「この運転さえなければ、私の日常が壊されることもなかったという思いはあった。194キロのこの事故がうっかり過失なわけないんです」と憤りの声を上げました。

時速194キロでの死亡事故は、危険運転致死罪が適用されるのか――注目の判決は11月28日に言い渡されます。