過半数割れのなか…石破総理の“3つの選択肢”とは

良原キャスター:
自民党が野党との連携を目指すなかでキーマンとなるのが、自民党の森山裕幹事長だといわれています。森山幹事長は2017年から国対委員長に就任しており、在職日数は1534日と歴代最長です。
岩田政治部長は、森山幹事長について「党内をとりまとめる調整力・安定感、そして野党への太いパイプも持っている」と評しています。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
国対委員長というのは、野党とずっと交渉する仕事です。それを長くやられてきたので、当然、森山幹事長には野党各党の皆さんとのパイプがあるわけです。今の自民党の中では一番、野党との交渉役にうってつけの方だといえます。
この先、過半数がないなかで、石破総理にはどういう選択肢があるのか考えていきましょう。

(1)一本釣り狙う
1番目の選択肢は、「自分の名前を書いてください」と、一人ひとりにお願いをしていくことです。ただ、今の議席数は自民・公明合わせて215なので、過半数である233議席には18議席足りません。数人だったらともかく、18人も名前を書いてくれる人を見つけることはかなり大変です。
(2)自公連立の拡大
2番目の選択肢は、自公連立に他の政党にも加わってもらうことですが、これはこれで難しいです。各党は選挙が終わったばかりですし、自分たちにせっかく票を入れてくれた人がいるのに、なぜ自公政権を応援するのかということにもなるので、そう簡単にはいきません。
(3)「少数与党」
3番目の選択肢は、「少数与党」のまま国会に入っていくということですが、一つひとつ政策を話し合って決めていくのはいいものの、時間もかかりますし、上手くいくかどうかわかりません。いずれにしても、なかなか厳しい状況です。

井上キャスター:
皆さんの頭の中には、2025年7月に予定されている参議院議員選挙もあると思います。
与党が強かったところから、与党と野党が微妙なバランスや緊張関係に変わっていくのは政治にとっていいと思うのですが、どのようなことを期待しますか。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
しっかりと議論されて、合意のもとに政策が進んでいく形になればいいなと思います。しかし、もしかしたら、世の中の流れに対してスピード感が少し足りないのかもしれません。
これまでの自民党政権には、海外からの投資を増やしてきた部分や、外交での成果もあったと思います。
その二つはやはり、政権として安定していたがゆえに海外から期待されていた部分だと思うので、その点が今後どうなっていくかは心配です。
井上キャスター:
「ころころ日本の顔が変わる」なんて言われた時代もありましたね。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
外交面でも、政権が安定しているということはとても大事です。
海外の人と首脳会談をしたときに「この総理はちゃんと続く」と思ってもらえないなかでは、外交はなかなかできません。そういう意味では、多数派を作っていくということは、ある種大事な部分もあります。
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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父