“型破り”を支える祖父の教え

創業以来、生地の卸売と、オーダースーツの縫製を請け負う工場として成長した『SADA』。しかし先代の父親が、最新設備を備えた工場を中国に建設するもバブル崩壊で倒産寸前に…。そこで、起死回生の策として佐田社長が始めたのが「小売り」でした。
「売ってくれる人がいなくなっているなら自分で売るしかない」と、工場直販という強みをいかし1万9800円のオーダースーツの販売に乗り出したのです。

ところが道のりは険しく、宣伝のために朝7時から社員総出でティッシュを配ることも。
そんな宣伝費もない中始めたのが、“スーツを着て無茶なことをする”YouTube作戦でした。

なりふり構わずスーツをPRし続けたのには、ある理由があったといいます。

佐田社長:
「死んだ祖父から、“迷ったらいばらの道を行け”と幼少期から叩き込まれた。人間は怠け者だから、すぐ目先の楽な選択をしたがる。それは人間の本能だから、その本能を理性の力でねじ伏せたら、絶対にこっちに行くべきだっていうのは明確になると。それはどっちの道かというと、いばらの道になるぞと」