“フォーム走”の積み重ねでブレない走りに
そしてランニングメニューの最後に行うのが、150mを全力に近い力で正しく走る“フォーム走”と呼ばれるメニューである。この日も全くブレがなく滑らかに進んでいる様子が分かった。
指導する野口雅嗣先生(東大阪大敬愛高)に目的を聞いた。
野口雅嗣:
疲れている時の一番最後のメニューがフォーム走。それを綺麗に走れば、疲れていない時はもっと綺麗に走れる…練習の最後でどれだけ、キチっと集中して出来るかが大事。
一番きつい最後の練習で正しいフォームで走る事の積み重ねがレースでの体がブレない走りに繋がる。周りの選手と比べてもその走り、フォームは一目瞭然で久保選手の強みとなっている。
久保選手も『練習の最後のフォーム走でもう一度集中してリズムよく走る』事を意識する。
まずは来年9月の東京世界陸上出場へ
まだまだ成長著しい16歳。そんな彼女に4年後のオリンピックまでの目標を描いて貰った。
目下、東京2025世界陸上の参加標準記録1分59秒00に迫り、世界舞台を見据える。
久保:
まず、東京世界陸上の標準記録が1分59秒を切らないと出られないので、“1分58秒90”を出して、東京の世界陸上に出場します。
(27年には)北京の世界陸上に出場します。(28年には)自分が今回出られなかったオリンピックがあるので、ロサンゼルス五輪に出場して、やっぱり出場するからには入賞を目指して頑張っていきたいと思います。
久保凛(くぼ・りん)
2008年1月20日生まれ、和歌山・串本町出身。潮岬中~東大阪敬愛高。小学6年生までは、サッカークラブに所属し、中学から本格的に陸上競技を開始。3年時に全日本中学陸上女子800mで優勝。23年8月インターハイで1年生ながら優勝。24年日本選手権女子800m決勝でも2分3秒13で初優勝。
さらに7月の関西学連・長距離記録会(奈良・橿原公苑陸上競技場)で1分59秒93の日本新記録をマーク。05年に杉森美保が記録した2分00秒45を上回り、19年ぶりの記録更新し、日本女子初の2分切りを果たす。7月末のインターハイでは2分00秒81の大会記録で連覇を達成。8月のU20世界陸上でも2分03秒31で6位入賞。10月国民スポーツ大会は少年女子A800mで2分02秒09の大会新記録で優勝。いよいよ世界舞台での活躍を目指す。














