かつては岡山県の特産品でしたが、生産が一時途絶えたことから、「幻」と呼ばれるようになったカボチャがあります。このカボチャを再び特産品にしようというプロジェクトが進められていて、岡山市の酒蔵では「幻のカボチャ」を使った焼酎づくりも始まりました。


あたりには、カボチャを蒸す甘い匂いが漂います。岡山市中区の宮下酒造で始まった焼酎の仕込み作業。約1時間蒸したカボチャを潰し醸造タンクに入れていきます。




原料は、瀬戸内市で生産される「備前黒皮カボチャ」。昭和初期には全国に流通していましたが、西洋カボチャの登場で生産が途絶え、「幻」と呼ばれるように…。

焼酎づくりは、この「幻のカボチャ」を復活させようと、8年前から取り組む瀬戸内市の企業などによるもので醸造は2年ぶりです。

「感動しますね、2年ぶりだと」

カボチャは、タンクで蒸した米と合わせ、1週間かけて発酵させます。


(大町 秋山創一朗専務取締役)
「品種でいうと『日本カボチャ』で、非常にあっさりした味わいが特徴です。やっぱり日本の良さが詰まったものなので、多くの方々に知ってもらいたいという思いはあります」

全国的にも珍しいというカボチャの焼酎。皮ごと使うことで風味をしっかりと残し、アルコール度数25%でも飲みやすくしたといいます。


(リポート 熊澤梨花)
「すごくフルーティーな焼酎です。カボチャの甘みも感じられます。幻の一杯になりそうです。」



(宮下酒造 岡崎達郎製造部長)
「カボチャの甘みがあるので、普段焼酎を飲まない女性や若い人、今まで焼酎を飲んだことがない人にも、ぜひ手に取っていただければと思っています」

「幻」から再び「特産」のカボチャに…「本格焼酎備前黒皮かぼ之助」は、半年後に量販店などで約2000本が販売される予定です。