無くなった「増補制度」。それに代わってはじまった「残存期間同一旅券」

ラオスには無事に入国したものの、すぐ翌週に別の海外出張が控えていた。すでに余白ページはなし。果たして入国できるのか?もはや取材どころではなく、パスポートのことばかりが気になってしまう私。眺めてもページ数が増えるわけでもないのに気が付けばパスポートを取り出してじっと見てしまう。そこで思い出したのが、パスポートの「査証ページ」を「増補」するサービスのことだ。10年パスポートの「査証ページ」は44ページ。しかし海外渡航が多いビジネスマンなどはあっという間に「査証ページ」が無くなってしまう。そんな人のために外務省はかつて「増補制度」、つまり「査証ページ」を追加で40ページつけてくれるサービスを行っていた。そうだ、この手があるじゃないか!喜び勇んで調べてみると、なんと2023年3月に廃止されていた。いったいなぜ?

外務省旅券課の担当者によると、増補されたページだけ取り外されて使われたり、増補ページから不都合な出入国スタンプを取り外してしまうなどトラブルが多かったためだという。国際的にも増補制度を廃止する国が増えているそうだ。

もちろん利便性が下がるなど批判的な意見もあるようだが、いまは増補制度の代わりにパスポートの残り期間と同期間のものを新たに発行してもらえるようになった。各自治体のHPを見ると、パスポート交換申請の目安は「未使用の査証欄がおおむね見開き3ページ以下になったら」という記載もみられるが、数カ国を回る出張を予定していて査証ページが足りなくなるのではと不安、などの諸事情を窓口で伝えれば柔軟に対応してくれるとのことだ。ただし、パスポート番号が変わってしまう、という問題も発生する。

ラオスの首都ビエンチャンにある凱旋門