中古車が新車を上回る価格で売られるという異常事態が起きています。半導体不足で新車の供給が減る中、円安が拍車をかけ、新車の2倍近くの価格で売られる中古車も。一方、円安の影響に持ちこたえられない「円安倒産」が増加しています。この状況は、いつまで続くのでしょうか。
■中古車が新車の約2倍の値段に 円安の影響で中古車の海外ニーズ高まる
東京・町田市にある、大手中古車販売店「ケーユー本店」。
展示されているのはトヨタのミニバン「アルファード」。このタイプは新車で約450万円だといいますが…
中古車販売店の担当者
「中古車で今、559万9000円の価格をつけさせていただいておりまして、新車価格を上回るかたちになっております」

新車よりも中古車のほうが100万円以上高い!それでも、すぐに売れる状況だといいます。
さらに驚きの値段をつけた中古車があると聞いた客は…
店員
「隣の車も非常にレアな1500万」
お客さん
「1500万!?高っ」

人気SUV車、ランドクルーザーの中古車が1500万円!新車価格800万円のほぼ倍の値段です。
今、一部の車種で中古車の価格が新車を上回る逆転現象が起きているのです。
中古車販売店の担当者
「海外で買う人は、(中古車を)1500万円位で買っても十分向こうで売れるという状況になっているようで、そうすると国内だけの競争ではなくて、国内と国外の競争で車の価格が競り上がっているっていう状況があると思います」
半導体不足の影響で世界的に新車の供給が減る中で円安が拍車をかけ、割安感のある日本の中古車に海外からのニーズが高まっているのです。
実際に、中東やアフリカに日本の中古車を輸出している業者を訪ねると…

中古車バイヤー
「南アフリカに行く車。(これまでは)10万円から15万円の相場なんですが、今回は100万円以上で買いました。向こうで多分250万から300万円ぐらい」

「アルファード、ミャンマー行き。ミャンマーだと250万円ぐらいになっちゃいます」

「(軽トラックは)カナダ行ったら100万円以上で売れるんじゃないですかね」

こうした海外ニーズも一因となり、中古車の平均落札価格は今年7月に過去最高額を更新(オークション大手USS調べ)。この1年で50万円上がっている状況に日本の販売店は…
中古車販売店の担当者
「仕入れ値が上がっていますが、そのままの価格を転嫁して利益乗せることができないので、なかなか苦戦しているというのが現状でございます」
■まかない用の切れ端も新メニューとして提供
鮮度のいい肉とホルモンが人気の都内の焼肉居酒屋「塩ホルモンさとう」。
食材の高騰を受け、3か月前に一部メニューを値上げしたものの苦しい状況が続いています。

円安の影響で、輸入のラム肉や牛ハラミの仕入れ値がこの1年ほどで、2割から5割アップ。しかしこれ以上の値上げは難しいと苦肉の策でなんとかしのいでいます。

焼肉居酒屋 店長
「2つ(新しい)メニューを作りまして、『ゆでホルモンの梅しそ和え』というのは、仕込みの際に出た端材(切れ端)をボイルして、少しでもそうやってメニューにしてというふうに頑張ってはいます」
これまで、まかないに使っていた切れ端も新メニューとして提供。少しでも売り上げにつなげて、値上げを回避したいのだといいます。
焼肉居酒屋 店長
「今、目の前にあることをやっていくしかないなとは思ってまして」