インフルとコロナ“同時流行のおそれ”…ワクチン接種のタイミングは?

 ―――次は、インフルエンザの話です。9月8日に政府分科会の尾身茂会長は「冬にかけて、いわゆる8波というものがインフルエンザと同時流行で起こる可能性がある」としました。同時流行について森内先生は、新型コロナウイルスとインフルエンザのピーク時期がずれる可能性があるとし、さらに、どちらかに罹患してもう一方にかかると重症化リスクが高くなるというデータもあるということですが、このあたりを詳しく教えていただけますか?

 「例えばですけど、昨年、インドでデルタ株が大流行して、それがまだ完全に下がりきらないところで次にインフルエンザの流行が起こっています。ピークはちょっとずれたりはするんですけど、ただ両方の流行のかぶる時期というのがあったりしますので、そうなるとどっちがどっちかわからなくなってしまうということもあります。それからヨーロッパの方のデータですけれども、コロナとインフルエンザの両方にかかった人は、片一方だけかかった人よりも少し重症化しやすいというデータが出たところもありますので、やはりこの両方が同時に流行するおそれのあるこの秋から冬にかけては注意が必要だと思います」

 ―――森内先生の見立てでは、日本と季節が逆の南半球の様子から、今年のインフルエンザのピークは12月かと、ちょっと早いんじゃないかということです。そうなるとワクチン接種は早めがおすすめで、大人・子ども関係なく、コロナとインフルエンザのワクチン同時接種は問題なしということですので、先生のポイントとしては、子どもはインフルエンザにかかる方がリスク大ということで、インフルエンザのワクチンを特に先生としては推奨したいということでしょうか?

 「もちろん既にコロナワクチンが打てるわけですので、それをまず打った上でインフルエンザのワクチンが打てるようになったら、そちらもぜひ打ってほしいなと思います。タイミングが一緒になったときに一緒に打つ分も全然構いませんけれども、同時に打つのがちょっと心配だなという方がおられたら、少なくともコロナの方を先に打って、次にインフルエンザのワクチンをいつでも打てるような態勢を整えておくということがいいと思います」

 ―――別に数週間空けなくても、子どもでも場合によっては「コロナのワクチンを前日に打ったが、スケジュール上、きょうインフルエンザのワクチンを打ちたい」と、これはOKですか?

 「新しいワクチンなので念のために2週間以上空けるということになっていましたが、もう世界中でこのコロナとインフルエンザのワクチンに関して言えば、同時接種で特別何か、それで1+1=2以上になるみたいな副反応が出ることはないということはしっかりエビデンスが出ていますので、あまり心配することはないと思います」