巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)が15日、都内で、シドニー五輪女子マラソンの金メダリスト・高橋尚子さん(49)の独占インタビューに応じました。アテネ五輪の代表選考レースで敗れ、失意のなかにいた高橋さんの元に届いた、長嶋さんからの手紙。長嶋さんと高橋さんには運命的とも言える接点があり、高橋さんは「勝手に縁を感じていた」といいます。

「“こういう様にやるんだ”という気持ちは持っている」

リハビリする長嶋さん
高橋:今でもリハビリはずっと続けていらっしゃるんですか?

長嶋:やってるよ。リハビリを始めて約17年になるからね。

高橋:
身体だけではなくて、話すのもやっぱり困難なときもあったと思うんですよね。それでも積極的に人前に出られた、その思いはどんな思いですか?

長嶋:
今でも8割くらいしか話ができないけれど、表に出た場合は「こういう様にやるんだ」という気持ちは持ってますから。

高橋:
今でも頻繁に現場のほうに行かれて、声を掛けたり指導されたり。その思いは変わってないですか? 

長嶋:同じ。一緒です。 

「本当に野球をやっていて良かった」

長嶋さんは今年、国民的ヒーローとして野球界の発展に尽力した功績で、文化勲章を受章。11月3日に皇居で親授式が行われ、天皇陛下から勲章が贈られました。
日本の野球文化は、常に、ミスターと共にありました。

高橋:文化勲章の受章、おめでとうございます。

長嶋:ありがとうございます。

高橋:
球界初の栄誉ということで、受章されてどんな思いになられましたか?

長嶋茂雄さん
長嶋:
野球界で初めてということで、何とも言えない嬉しさ、喜びが出て、他のものはもう無いような気がしますね。本当に野球をやっていて良かった。
   
高橋:
振り返ってみたときに、1番思い出に残っている試合だったり、シーンは何でしょうか?

長嶋:「10.8」の、あのゲームは最高のゲーム。

「10・8決戦」として今も語り継がれる、1994年10月8日のセ・リーグ最終戦。
同率首位の巨人と中日が直接対決し、勝った方が優勝となる世紀の一戦を制したのは、長嶋巨人でした。

長嶋:
あの試合は、今までの野球の試合の中で すごい試合をしたという気持ち。

高橋:
あの試合(「10.8決戦」)はすぐに思い出されますか?

長嶋:
思い出しますね。あとは何と言っても(昭和天皇・皇后)両陛下が初めて野球に来られた試合。

今から62年前の1959年、プロ野球初の天覧試合。阪神と戦った巨人は、長嶋さんの劇的なサヨナラ本塁打で勝利しました。

長嶋:
あの試合もまた、野球人生の中でもね、いい試合だったと。大変いい試合の内容でね。

高橋:
その様子は脳裏に焼きついていますか?

長嶋:
(頷いて)今でも分かっているもんね。