
海上保安庁は、事故から2年5か月後のことし9月、運航会社社長の桂田精一被告61歳を業務上過失往来危険などの容疑で逮捕しました。
そして10月9日、釧路地検は、運航管理者としての義務を怠って船を沈没させ、乗客乗員を死亡させた業務上過失致死の罪で起訴。
海難事故で、直接船を操縦していない運航会社の社長が刑事責任を問われるのは、極めて異例です。

今回の事故では、桂田被告に加えて、当時の船を操縦していた当時54歳の船長)も容疑者死亡のまま業務上過失致死容疑などで書類送検されています。
元船長は、5年間この船の舵を取った経験者として、口惜しさをにじませます。
「KAZUⅠ」元船長
「舵を持って出ていったのは船長本人なんだから、出ってしまった以上、あとは船長の判断しかない。海に出てしまったら関係ないから。船長の判断能力に尽きると僕は思います」
水温3度の冷たい知床の海に沈んだ「KAZUⅠ」。
事故を受けて、知床の観光はいまだ影響が続いていて、安全対策の徹底が求められています。
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