「自分だったら…」現地で世陸を視察
出られるかもしれなかった世界陸上をその目に焼き付けるため、不破選手はアメリカ・オレゴンに向かった。現地で解説の仕事をしていた高橋尚子キャスターは、不破選手に旅の目的を聞いていた。

「初めての海外はどう?」
不破選手
「わからないことばかりです。競技だけではなくホテルとか、選手として来たときに足りないものとかを色々知れたので、そういう面でも良かったなと」
高橋キャスター
「世界陸上を見て、得たいことはありますか?」
不破選手
「直接見るので、スピード感とかそういうのを見たいなと思います」
初の海外が世界陸上の観戦となった不破選手。間近で見る世界のトップ選手たちの戦いは、レース前の準備にも、ヒントがあったという。
不破選手:
私は、アップは自分の中で決めたことを、時間を決めてやるタイプだったんですけど、すごくリラックスしてアップに取り組んでいる選手とかを見て、逆に、そういう方が試合で切り替えて走れるのかなっていうふうにも思えました。少し自分もそういうのを取り入れてみたいなっていうふうに思います。海外の選手はみんな、ゆっくりのジョグとか、本当に召集時間大丈夫なのかなっていうぐらい、ゆっくりゆとりを持ってやっている選手が多いイメージです。
女子10000メートル決勝。自身が立っていたかも知れない世界最高峰の戦いで、不破選手はある選手に注目していた。
高橋キャスター:
自分だったらどんなレースをしてましたか?
不破選手:
廣中(璃梨佳)選手が引っ張っていたんですけど、多分あの集団のペースだったら自分のペースでどんどん前に行っていたかなと思います。
レースは終盤、前回女王で東京五輪金メダリストのハッサン(オランダ)やエチオピア・ケニア勢で形成された先頭集団が一気にペースアップ。集団の後ろから前を狙ったハッサンを振り切り、世界記録保持者のギデイ(エチオピア)がレースを制した。
生で見る世界基準のスピードは、強烈な印象として残った。