駅伝では“ごぼう抜き”、10000mを走れば20人を周回遅れにするなど「陸上界のニューヒロイン」として注目を浴びた不破聖衣来選手(拓殖大学2年)。2021年は1年生ながら数々の記録をマークしたが、その後けがに泣き、世界陸上の代表選考会を兼ねた今年5月の日本選手権を欠場した。7月の世界陸上(アメリカ・オレゴン)への出場はかなわなかったが、大会を現地で視察した不破選手が、“世界”を見て感じた“衝撃”を高橋尚子キャスターに語った。

8月、熊本で合宿する不破選手を高橋尚子キャスターが取材した。4月にインタビューを行った際は、けがで練習できずにいたが、9日から行われる第91回日本学生陸上競技対校選手権大会では女子10000m(9日)と5000m(11日)にエントリー。順調な回復振りを見せている。

順調な回復ぶりを見せる不破選手
高橋キャスター:
今は走るのが楽しくて仕方ない?

不破選手:
はい、楽しいです。けがの期間があったことによって逆に陸上をもっと好きになりました。

スーパールーキーとして注目された去年、出場した駅伝全4レースで区間賞を獲得。うち3つは区間新記録をマークした。

【不破選手 駅伝成績】
■2021年10月31日 全日本大学女子駅伝 
5区9.2キロ 区間新 6人抜き
■2021年11月14日 東日本女子駅伝
9区10キロ 区間賞 2人抜き3位から逆転
■2021年12月30日 富士山女子駅伝
5区10.5キロ 区間新 10人抜き
■2022年1月16日 都道府県対抗女子駅伝
4区4キロ 区間新 13人抜き


去年12月に走った10000m(関西ディスタンストライアル)では、初挑戦ながら20人を周回遅れにし、日本歴代2位(当時)となる30分45秒21のタイムで優勝。世界への飛躍も期待されていたが、度重なるけがの影響で5月の世界陸上代表選考会(日本選手権)への出場を断念した。

髙橋キャスターと不破選手
不破選手:
日本選手権を欠場するって決めたときは、自分が本当に出られないっていう実感がなかったので、そのときは本当に、出られない悔しさじゃなくて、走れていない悔しさの方が大きかった。だけど実際その日本選手権当日を迎えて、時間がどんどんスタート時間に近づくにつれて「本当は国立で今はアップしてるのに、自分なんで寮にいるんだろう」って思って。スタート時間になったときに、本当に走らなかったんだって思ったら、なんかすごい悔しさとか、そういうのが一気に出てきました。