「10年で状況は変わった」
福岡県では、この10年の間に、最低賃金が265円上がりました。
しかし、賃上げだけではアルバイトを確保できないほど人材獲得競争が激しくなっているといいます。
クリエイト福岡営業所 木村淳一 所長
「10年前であれば、福岡だと700円台が最低賃金になっていましたけど、10年でも大分状況は変わって来ておりますので、上げないと人が集まらないという状況」

人手不足が続く日本の労働市場。特に深刻なのが、飲食業や清掃業などのサービス業です。こうした業界では、最低賃金に合わせた引き上げだけでは厳しいと話します。
記者Q
いくらくらいの時給を提示すれば人は集まるのでしょうか。
「最低賃金が992円の福岡県の場合、やはり理想をいえば、1200円くらいあると非常に集まりやすくなります。1400円とか1500円で求人を出すお客さんもいらっしゃいますけど、あまり高いと、求職者が逆に『その分大変なお仕事なんじゃないか』と思われる可能性がありますので、ある程度適正で高いラインは1200円。、現実的に難しいのであれば1100円とかにしませんか、とかそういうご提案をさせていただいております」
「まかないが美味しい」「家から近い」賃上げプラス必要なこと
加えてカギになるのが働き方です。
特に人材獲得競争が激しい飲食業界で働く若者は賃金以外にも様々なことを求めています。

アルバイト大学生
「まかないがあることと、そこまで遅くまでやってるお店じゃないので、帰る時間が遅くならないところ」

アルバイト大学生
「近さで選びました。やっぱりまかないが美味しいところ。きょうは遅くまで残れる?とか聞いてくれる、融通が効くというか、親身に授業が明日は早いとかそういうのを聞いてくれるところがいい」
アルバイトの若者に限らず、人材を獲得するためには賃金だけではなく、どんな働き方を提示できるかが求人への応募数に大きく影響するということです。


クリエイト福岡営業所 木村淳一 所長
「時給だけではなくて、今の方は、働き方というのをとにかく重視してますので、自分の働きたい時間で、または自分の家の近くでとか、都合の言いタイミングで働きたいというニーズが多い。そういうことをできるかできないかで、応募が来る来ないというところに影響している状況です」
少子化の影響で生産年齢人口が急減し、人材獲得競争は今後更に激化することが予想されます。
賃金アップは、従業員を雇用するための最低条件。
この競争に勝つためには多様な働き方に対応する必要がありそうです