重鎮たちへの接触 3候補の思惑は?
上村キャスター:
終盤の議員票集めに動いている候補者たちですが、目立つのは、派閥の領袖ともいわれる重鎮たちへの接触です。3候補の動きをそれぞれみていきます。

小泉氏は刷新感を打ち出していましたが、実際に会ったのは麻生副総裁です。24日の面会で、総裁選での支援を求めました。
麻生氏は小泉氏を支援する菅氏とは距離を置いていますが、小泉氏は「有力者イコール改革派ではないというのは全く違う。直接支援をお願いするのは当然のことだ」とコメントしています。どのような狙いがあるのでしょうか。
今、残っている麻生派は54人で、トップの麻生氏は、河野氏を支持するとしています。しかし派閥議員は事実上、自主投票の見通しで、票がばらけるとみられています。
決選投票に進んだ場合、麻生派はどれぐらい力を持つのか。小泉氏は、これを狙って麻生氏に接触したのではないかともみられています。

高市氏は、25日は宿舎にこもり議員へ電話し、支援を呼びかけたということです。
関係者によると、高市氏陣営の中曽根選対本部長が麻生氏と約20分の会談し、高市氏への支援を依頼したという情報があります。

石破氏は25日の会見で、経済政策について岸田氏の名前を出しました。「岸田政権の取り組んできたことを引き継ぐとともに、その実現が早まるべく努力をしてまいりたい」とコメントしています。
岸田氏はニューヨークで、その前日(現地時間23日)に「私の内閣で進めた政策を引き継ぎ・発展させる方」を見極めると強調していました。石破氏は、解散時に約40人いた旧岸田派の働きかけを狙って、このようなコメントをしたのではないかともみられています。
井上キャスター:
皆さん背に腹は代えられないのだと思いますが、結局のところ、最初は耳心地のいいことを訴えているのに、こうなってくると言行不一致というか、馬脚を露わすというような印象です。やはり政治とはこういうものなのでしょうか。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
重鎮の方々も1票を持っており、なおかつ影響力がまだまだある方もいます。そうなると、挨拶に行くか・行かないかとなったとき、やはり挨拶に行っておきたいということなのだと思います。
ホラン千秋キャスター:
総裁選を迎えるにあたって、「これまでの自民党とは変わったところを見せたい」というようなことを言っていた候補者が何人かいたと思いますが、その議論は今、どこかに行ってしまっているような気がします。
政治家としては当たり前なのかもしれませんが、衆議院議員選挙がこの先にあるなら、誰が総裁になれば自分がいいポストに就けるのかなど…党としての印象と天秤にかけたとき、どうしても自分のキャリアのほうが重くなってしまうことは、往々にしてあるのでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
やはり、最後は選挙なんですよね。ある重鎮の方は『選挙のための顔を選ぶのはおかしいじゃないか』とよく批判されるけれども、選挙に勝って政権を維持しないと、自分たちがやりたい政策は実現できないと言っていました。批判があったとしても、誰が選挙に勝てるかどうかが大きなウエートを占めるということです。
井上キャスター:
そういうことを堂々と発信したらいいのではないでしょうか。「我々は選挙に勝つとかではなく、日本をよくするためにこうなんです」という建前が強すぎて、もう本音は透けて見えているわけですから、言ってしまってもいいのではないかと思います。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
もちろんそうですよね。「選挙に勝って、これをやりたい。だから私は選挙に強いこの人を選びたい」と、堂々と言って戦ってもいいと思います。