◆過去20年で浸水「また起きると考えるべき」
福岡大学の渡辺亮一教授(河川工学)は、「ハザードマップ上で問題ないように見える地域でも本当は内水氾濫で浸水してしまう。そんな場所がたくさんある」と説明します。

福岡市のほぼ中央に位置する城南区は、1982年に当時の西区から分割されて誕生した比較的新しい地区。今では農地はほとんど姿を消し、住宅地が圧倒的に多いエリアです。現在の人口は約13万人。渡辺教授と城南区の金山(かなやま)団地周辺を歩いてみました。
「ハザードマップでは金山団地は浸からないから、土地を買っても大丈夫じゃない?となると思うんですよ」
実は、金山団地周辺で1999年、浸水の被害が発生しています。当時の写真を見ると、道路は広く冠水し、大人の膝の辺りまでが水に浸かっています。用水路があふれたためでした。

この地区で時計店を営む末吉輝雄さんは「私の店の中でも約40センチ床上浸水しました。店の外では深いところで多分1メートル弱ぐらいまで水が来たのでは」と振り返ります。














