一方、大あくびの松川さん。余裕かと思いきや…。

松川光吉さんの大あくびの理由は…

▼サックス松川光吉さん(88)
「ステージで真ん中なんてやったことない、初めて。だから夕べ寝られなかったよ。睡眠不足」

少人数の即興演奏は得意な松川さんですが、大きなステージでのソロ演奏は初めて。

▼後輩のテナーサックス奏者
「すでにパワーをビンビン感じていて、ちょっと圧倒されそうなんですけど、本番は負けないように一緒に楽しんで演奏したい」

いよいよ本番。ジャズアレンジの「かぎやで風」で入場です。

▼ドラマー上原昌栄さん(88)
「米寿のお祝い、世界中をまわってもないようなお祝い。ありがとうございます」

上原昌栄さん

幼い頃から父の奏でる琉球古典音楽を聞いて育った昌栄さん。高校時代に音楽教師に誘われ、ジャズの道に進みました。沖縄音楽とジャズが合わさったようなビートと派手なパフォーマンスで、会場の心を一気につかみます。

88歳で初めて、ステージ中央で演奏する松川さんは、嘉手納基地やコザのジャズバーで活動してきました。80代に入ってがんと脳梗塞を患い、指の感覚を失った時期もありました。この音色を取り戻すために、1日も欠かさず練習を続けてきたといいます。

松川光吉さん

この日、かつてのバンド仲間同士のステージも復活。悌子さんと吉雄さんは、高校卒業後、同じバンドに所属していました。60年ぶりに、ビッグバンドで歌います。

戦後、米軍によって沖縄に持ち込まれたジャズ。青春時代にジャズと出会い、夢中になった当時の若者たちは、今も演奏ができる喜びを込めて、力強い音色を響かせました。