御嶽山噴火から10年 進む「山の安全」
山に安全を…。10年で様々な対策が進められてきました。

火口近くに位置し、王滝頂上と剣ヶ峰を結ぶ「八丁ダルミ」には、鋼鉄製の避難用シェルターが2つ。シェルターは15人から30人を収容できるもので、ことしは岐阜県側にも初めて設置され、あわせて9基に。


登山客には、ヘルメットを着用する人が目立つようになりました。

この10年の変化を、御嶽山で見てきた人がいます。9合目にある山小屋「石室山荘」を営む向井修一さん(60)。

(向井さん)
「30年いて嗅いだことのない強烈な硫黄臭だったので噴火だろうと。登山者に向けて大声で『避難してください小屋に入ってさい』と声をかけた」
火山灰が窓に貼り付き、日中にもかかわらず室内が真っ暗に。登山客らおよそ150人がここに逃げ込みました。


噴火後、山小屋にはヘルメットのほか、火山灰から身を守るためのゴーグルやマスクも100セット配備されました。

御嶽山の魅力を、最もよく知る人のひとりでもある向井さん。登山客を安全に迎えたい思いとともに、いま、心配なことも…。


(向井さん)
「ものすごく軽装で、噴火のこともよく分かっていない登山客もけっこういる。次の世代に繰り返し(噴火について)伝えていかなくてはと思う」