風雨に耐えたスマホ 奇跡的に電源が… 残された息子の”声”
(亮太さんの声)「うわーすげえ、超きれい」
(亮太さんの父 野村敏明さん)
「亮太の声がこんなふうだったなと、これを聞くたびに思い出します。そうだ、そうだ、亮太の声だ、って」
これまでの捜索で当時、亮太さんが身に着けていたリュックやタオルなども見つかっていて、そのたびに野村さんは、亮太さんが「ここにいる」というサインを出しているのではないかと感じてきました。
(野村敏明さん)
「本人は帰ってきたいという思いが強かったと思う。可能性がわずかであっても何度もチャレンジすることで少しずつでも(可能性が広がれば)。諦めずにやっていきたいと思います」

そして、野村さんが依頼した民間会社による捜索が23日、初めて行われました。標高2700メートル付近から、急な沢になった場所をおよそ6時間、くまなく探していきます。しかし、亮太さんの手掛かりは、見つかりませんでした。

(野村敏明さん)
「この広い御嶽山の斜面を探せば探すほど、深みに入っていく感じもある。状況をしっかり聞いてアドバイスをいただきながら(今後について)考える」

安全対策が進み、風化の一端もみられる御嶽山。家族の帰りを待つ人にとって“区切り”にはならない、10年の“節目”を迎えます。