整体の部屋には、“常連”のワンちゃん、「おうちゃん」がいました。両前脚を骨折して不自由になり、背骨には歪みがあります。道路でケガしているところを今の飼い主さんに保護され、月に1回の整体ケアを受けています。
▽犬の整体担当・国吉裕子さん
「動けなくなると筋肉を動かさないので、“立てない・歩けない”に繋がっていきやすい。ほぐすことによって元の体に戻ってまた歩く、ってことを繰り返していくので、最後まで動ける体につながりますね」

姿勢を整えると…歪んでいた身体が真っすぐに。内臓の働きがよくなり、呼吸や排泄がしやすくなるメリットもあります。実生活では秀樹さんが作った車いすに乗ることで、姿勢をキープ。立ったり歩いたりすることで、筋肉が刺激され、脳の活性化も期待できます。
▽おうちゃんの飼い主
「長生きしてほしい。あとこんなにリラックスするから、いつも身体が固まっているのが少しでもほぐれて、良い状態になるといいな」
▽犬の整体担当・国吉裕子さん
「犬にとっての尊厳は立つ・歩く。家族とそばにいることがシンプルなんだけど大切、それをサポートするのが私たち」

▽車いす製作担当・国吉秀樹さん
「車いす導入できたら、家族と一緒に楽しんでまた過ごしていける。広めていきたいなと思っています」
太陽が昇る方向を意味する工房名「あがり」。立ちたい・歩きたいと願うワンちゃんに、小さな工房は希望の光を届けます。(取材 黒島ゆりえ)