「子ども・孫への思い出…最後のメッセージという感じ」

 3歳の時に父を亡くした静美さん。親戚の家に預けられ、学校にはほとんど通えませんでした。2回結婚し、息子4人に恵まれましたが、夫の借金返済に追われ離婚。叔父を頼って36歳の時、3人の息子と来日しました。長男は兵役のため台湾に残りました。日本では貯金を取り崩しながら生活をしていましたが、長くは続きませんでした。

 (大山義男さん)「どうしようもない、何か収入の道を考えないといけないという時に…」
 (大山静美さん)「スナックをやりたいと。歌舞伎町で」
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 この時、店を訪れた義男さんと出会い、3度目の結婚。息子たちも義男さんを「お父さん」と慕ってくれました。

 (大山義男さん)「ありがたいことに(妻よりも)大事にしてくれる」

 その後、夫婦で中華料理店を始め、雑誌にも掲載される人気店に。ところがバブル崩壊などで経営が行き詰まり閉店。アメリカで仕事を見つけて活躍する息子たちの支えもあって、今、穏やかに暮らしています。

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 (大山静美さん)「自分は書くことはできないし、文章を残すことはできないから、せめてビデオだけは子ども・孫への思い出…最後のメッセージという感じ。この道を選んだことに後悔はないと」

 日本、台湾、アメリカ。離れて暮らす家族に自らの人生と感謝の言葉を伝えたい。ビデオならいつでも見てもらえる、と考えました。