被災地・能登を激しい雨が襲っています。21日に大雨特別警報が発表された石川県輪島市などでは、観測史上最大となる、猛烈な雨を観測。河川が氾濫するなど、被害が広がっています。

「絶望感もある」能登地震被災地を襲う大雨

1月の地震で、甚大な被害を出した能登地方。今度は大雨に見舞われました。街を飲み込んでいく濁流。能登地方は21日朝から猛烈な雨に見舞われています。

消防隊員が歩く道路はまるで川のよう。現場に向かう緊急車両は、冠水した道路に行く手を阻まれます。

気象庁は21日午前9時過ぎに「線状降水帯」の発生を発表。その後、輪島市などに「大雨特別警報」を出しました。

住民
地震後の雨で、またこんなことになっちゃったのという絶望感もある」
住民
踏んだり蹴ったりやね」

輪島市では観測史上最大となる、1時間に121ミリの雨が降ったのです。県内全体で16の河川が氾濫(21日午後10時時点)。地震で堤防が下がった場所があり、被害を拡大させたといいます。

住民
「(堤防が)だいたい1メートルか2メートル高かったけど1月1日の大地震で沈下したわけ」

――地震がなかったら?
「まあ大丈夫だったかな」

輪島市を走る国道249号のトンネルでは、出入り口付近で大規模な土砂崩れが発生。このトンネルでは、地震で崩落した部分の復旧工事が行われていて、その作業員3人と連絡がとれなくなっています。
 
珠洲市でも土砂崩れが発生。70代の男性が死亡しました。

死亡した男性の親族
「ずっと呼んだりしていた『どこにおるか』と呼んでたけど、だめやった。何も返答なかった」

道路が寸断され、救助活動が行えない地域もあるとみられます。8月末、災害派遣を終えたばかりの自衛隊に、石川県は再び派遣を要請する事態となっています。