「息子の死を政治的な道具として利用することは、非難されるべき」大統領選でもフェイク拡散

そして、先日のアメリカ大統領選のテレビ討論でも…

トランプ氏(9月10日 ペンシルベニア州)
「(オハイオ州)スプリングフィールドでは不法移民が犬や猫を食べている不法移民は住民のペットを食べている」

これは、市当局が否定し誤りとされる情報ですが、共和党の副大統領候補・バンス氏や、トランプ氏を支持するイーロン・マスク氏まで、同様の投稿を行い、SNSで拡散。

さらに「移民が少年を殺した」とのショッキングな投稿まで。

トランプ陣営のXアカウント「トランプ・ウォールーム」。そこには「11歳の少年が、ハリス氏が入国させたハイチ移民に通学途中に殺された」とあります。

しかし少年の父親は「息子は移民が起こした交通事故で亡くなったのであり、殺された訳ではない」とトランプ陣営を非難したのです。

少年の父親(12日)
「誤解のないように言っておきますが、息子は殺されたのではありません。息子を政治的な道具として利用することは、非難されるべきだ」

旧ツイッターに関するアメリカ・マサチューセッツ工科大学の研究チーム(2018年)の研究では「偽ニュースは事実よりも20倍のスピードで拡散する」などの結果も出ています。

いまやSNSが政治に悪用される危険性は、これまでになく高まっていると、五野井さんは警鐘を鳴らします。

五野井郁夫・高千穂大学教授
「TikTokのユーザーは現在16億人、インスタグラムは今20億人の人々が使っている。その中で、デマであったり、フェイクニュースであったとしても、とにかく支持者が拡大できればいい、自分たちの勢力の主張を拡大したいというのは、ヨーロッパやアメリカに限りません。日本でも現実的には起こりうることだと思います」

現代社会に欠かせなくなったSNS。その功罪が改めて問われています。

(「サンデーモーニング」2024年9月22日放送より)