アルファ米の肝は「乾燥」
この蒸かしたご飯の“うまみを残したまま”、水分だけを取り除けばアルファ米になるのですが、肝となるのが「乾燥」です。
蒸かしたご飯は、箱型の巨大な乾燥機の中で熱風を当て約60分乾燥させますが、その「熱風」にも尾西流のこだわりが。
『月刊食品工場長』木下さん:
「チラっと聞いた話だと、その熱風を作るのにガスボイラーで水蒸気を作って、水蒸気と風を熱交換して熱風にすると。なんでそんな手間なことを?」
『尾西食品』本田 晃工場長:
「まず火を使わない安全性。あとはガスの匂いがご飯についちゃうので風だけをあてる処理を行っている」
乾燥が終わったご飯を見せてもらうと、「たたみいわし」のような平たい板状に。

この後、板状にくっついたご飯を粗く砕いたら、企業秘密の製法で1粒1粒のパラパラ状に。これでアルファ米の完成です。

「カレーライス」や「おにぎり」も水だけで!
「アルファ米」と聞くと、その響きから最近の技術のように感じてしまいますが、実は開発されたのは今から80年前の1944年(昭和19年)。

戦時中に潜水艦の乗組員だった『尾西食品』創業者、尾西敏保さんが「潜水艦の中でも火を使わずにご飯が炊けるように」と開発したのです。
今では白米だけでなく、おこわやドライカレー、チキンライス、ナシゴレンなどのエスニックご飯まで登場。

袋に書かれている線まで水を入れて60分、お湯なら15分待てばおいしく食べられるのです。
THE TIME,マーケティング部 原部員:
「ん!もちっとしてますしお米の甘味もしっかり感じます」
さらには、アルファ米で「おにぎり」になる商品も。

パッケージの中がおにぎり型の空洞になっているので、水で膨らんだお米がおにぎりの形にぎゅっと固まるというわけ。
水さえあれば、その場で作って食べられるのでキャンプなどに持っていく人も多いといいます。
カレーハウスCoCo壱番屋とコラボした「カレーライス」もアウトドアで人気。

アルファ米と、そのまま食べられるルーのセットは非常食としても優秀で、アレルギーを招く食材を使っていません。
尾西食品では「避難所で誰一人取り残さない」がモットー。
ちなみに、イスラム教の食事「ハラール」にも、ほぼ全ての商品が対応しています。














