「カスタマーハラスメント」、いわゆる“カスハラ”を防ぐ条例案が東京都議会に提出されました。成立すれば全国で初めてとなります。どのような行為が“カスハラ”にあたるのでしょうか。

成立すれば“全国初” 東京都議会「カスハラ」防止条例案を提出

井上貴博キャスター:
18日、東京都は都議会にカスハラを防止する条例案を提出しました。成立すれば全国初めての条例となります。▼民間だけではなく公的機関も対象、▼違反者への罰則はありません。カスハラ禁止を明示し、抑止効果を期待するもので、今後、具体例を示した「ガイドライン」を作成していきます。

どのような行為が“カスハラ”にあたるのか

威圧的な言動
・従業員個人への攻撃・要求
土下座の要求
・拘束的な行動、居座り など

しかし、これらの例も抽象的なのでどう具体化していくのか、次のハードルかもしれません。

ホラン千秋キャスター:
なかなか数値化できないので、「どこからがカスハラになるのか」が難しい中、罰則はないが抑止力を期待する、あるいは条例ができることにより助けを求めやすいなど、好転する部分は何かあるのでしょうか。

弁護士 萩谷麻衣子さん:
もちろんあると思います。私が今まで相談を受けてきた企業の中でも、消費者からのクレームは、営業担当やクレーム係など、割と個人で担当していることが意外と多いです。

今回の条例では、企業が従業員を守るためにカスハラ防止対策を取らなければいけない。その責務が明らかになったことが重要だと思います。

そのため、クレームを従業員の個人に任せるのではなく、企業として指針を作り、クレームが来たらそれが不当なクレームなのか、きちんと対応して判断する。そういう体制を組まなければいけないということになったことが、非常に大きいと思います。

井上キャスター:
こういったニュースには「すぐに実効性はあるのか」といういぶかる声が出がちですが、東京都が一歩踏み出せば、神奈川や北海道など検討している自治体が続くかもしれない。

データが蓄積され、線引きがある程度見えてきたら、ゆくゆくは罰則を付けることも可能になってくるのでしょうか。

萩谷麻衣子さん:
可能性は十分あると思います。ただ、今のところカスハラの多い地域とあまりない地域では全国的に差があるので、まずはカスハラが多い東京都からだと思います。そのうち法律として罰則付きで抑止を働かせるという必要性が出てくる可能性もあると思います。