震度7を観測した能登半島地震で、石川県珠洲市ではおよそ7キロにわたって地盤が隆起し、突如「崖」が現れました。研究者も驚くこの地形の変化は、どのようにして生じたのか、その謎に迫ります。

活断層がないのになぜ?全長7キロの“崖”

珠洲市役所から北西におよそ6キロ進んだ山間部にある若山町。元日の地震で地盤が隆起し、場所によって最大で高さ2メートルほどの崖ができました。段差は田んぼや川を横切り、およそ7キロにわたって続いています。

住宅の敷地内にできた崖 地震前までは平らだった=珠洲市若山町、2024年2月13日

2月上旬、住宅の敷地内に突如段差ができたという80代男性は「元は平らだった。びっくりした、なんじゃこりゃと。ひどいことになった」と取材に答えていました。

この段差の最大の謎は、近くに活断層がないこと。地震の際にずれが地表にまで到達してできる「地表地震断層」のような形をしていますが、若山地区は、元日の地震で動いたとみられる海底活断層からは7キロ余り離れています。

能登半島地震の震源断層とされる海底活断層から若山町の段差は約7キロ離れている