先月末までに、131棟の住宅で自費解体を終えた七尾市。このうち3分の1の工事を請け負っているのが、地元の千場建設です。営業担当者は、自費解体の現状を、このように話します。


千場建設・清酒葵 営業課長
償還が間に合っていない。知っているお客さんだと、4月に解体を終えて9月なのにまだ返ってきていないというのが実情」


千場建設・千場勇輝社長
「おそらく自費解体の制度自体が、公費解体の補助的なものと考えられていたこともあって、そこまでルール化がされていなかったんだろうなと思う。お客さんが安心してもらえるようにルール整備や相談窓口を拡充してもらえたら」


本来であれば、住民が立て替えた金額は「2か月以内」をめどに市町が支払うよう、県が呼びかけています。しかし七尾市によりますと、今月6日時点で住民から払い戻しの申請があった128件のうち、費用の償還はわずか9件にとどまっているということです。七尾市とともに、県内では先行して自費解体が進んでいる志賀町でも同様の問題が起きていて、解体を終えた124件のうち払い戻したのは31件。およそ4分の1となっています。


払い戻しに遅れが生じている理由のひとつとして、市や町の担当者は、金額を算定する職員の不足をあげています。こうした払い戻しの遅れは、これから自費解体が本格化する他の市町でも起こり得る問題です。県が打ち出した公費解体と自費解体を両輪で進めていくためには、県が市町とさらに一体となって取り組んでいく姿勢が求められています。