公費解体がスムーズに進まず、件数も増えている中、先月、県が打ち出したのが「自費解体」です。

今回の地震で想定される建物の解体数は、3万2,410棟。このうち解体を終えたのは、先月末時点で1割にとどまっています。こうした中…。
馳浩石川県知事(8月26日の会見)
「早期の再建を希望する方などのニーズも踏まえ、公費解体と自費解体を車の両輪で進める方針といたしました」
石川県が打ち出したのは「自費解体」という新たな選択肢です。

県では、8月から11月までに、解体する建物の数を2倍に増やすことにしています。この目標を達成するために打ち出したのが自費解体です。自費解体は、住民自らが費用を立て替える「立て替え払い」。住民が直接業者に解体を依頼して料金を支払った後、市や町から費用の払い戻しを受けるというものです。公費解体と比べると、業者と直接契約をするので早く解体を進められるメリットがあります。

七尾市能登島で自宅が全壊した花房善一さんは、一日も早く家を建て直したいと、「自費解体」を決めました。
花房善一さん
「仕方がないから貯金を崩す。崩して、とりあえず立て替える。600万円ぐらい。最終的には半分から6割戻ってくればいいかな。そしたら早く再建できるもん」

石川県内では先月末時点で、自費解体の割合は全体の14%ほどと、まだまだ活用されていません。その要因として、花房さんのお話にもありましたが、次のような課題が考えられます。

被災者自身が最初に多額の費用を工面する必要があること。それに、自治体の定める上限額を上回った場合、自己負担が発生する可能性があること。そして、もうひとつ新たな課題が取材の中で見えてきました。