12年に1度しか行われない幻の祭祀が、沖縄県の豊見城市で行われました。地域の安全や無病息災や豊作を祈願する、“どの地域にもある祭り”ですが、その内容は実に独特。

250年以上続く伝統の「龕ゴウ祭(がんごうさい)」を久しぶりに執り行った地域を取材しました。

ーー会場アナウンス
「持ち上げてください」

豊見城市高安の「龕」

11日、豊見城市高安で行われた、「龕ゴウ祭」。

「龕(がん)」とは、かつて亡くなった人を棺に入れて、墓に運ぶ際に使われていた、みこしのようなもの。浄土へ送られる死者の乗り物であるため、高級木材のイヌマキが使われるなど、豪華に装飾されています。

豊見城市高安の「龕」

しかし霊が宿るものとして恐れられたことから、龕に宿った霊を鎮めるため、12年に1度、悪霊をはらう日とされる旧暦の8月9日に、龕の修復作業を兼ねて、この「龕ゴウ祭」が行われてきたのです。