「宇宙ゴミ」懸念される危険性。我々の生活に多大な影響も…
――除去回収の意義は分かるが、政府や国際機関の仕事だと考えてしまう。民間企業として「ビジネスになる」と思った理由は?
アストロスケールホールディングス 岡田光信社長:
なぜなら課題が明確だから。宇宙は持続利用不可能であると。時間軸はわからないが、誰かが解決しなければならない。これは取り組む価値があり、今取り組めば、ひょっとしたら先頭に立てるかもしれないと思った。
――実際見えないのでイメージしにくいが、放っておくと近い将来、新しい衛星が打ち上げられないぐらい宇宙ゴミでいっぱいになるのか?

アストロスケールホールディングス 岡田光信社長:
既にそういうことが起きている。今はデブリ(宇宙ゴミ)が近づいてくると衛星には警報が出る仕組みがグローバルにある。警報がずっと鳴っていてみんな逃げている。よけるために燃料を吹いてよけて(元の軌道に)戻る。衛星というのは燃料が尽きたら終わり。燃料を吹かせるというのは物凄くコストの高い行為で、衛星の寿命を短くする。リスクを下げてリターンを上げなけれなならない。それに必要なのが、「接近」して「捕獲」する技術。
それができると、「燃料を補給」したり「場所を移動」してあげたり、最後は「修理」や「簡単なコンポーネント(部品)交換」ができるようになってくる。
――衛星による宇宙の利用は今後ますます増えていくのか。

アストロスケールホールディングス 岡田光信社長:
いま現在だけでも「交通管制(船・飛行機・自動車)」「天気予報」「放送・通信」。オリンピックを生で見られるのは衛星があるから。他に「災害監視」「安全保障」も全部衛星。なので、どれだけバラ色の未来を語っても、小さな破片のゴミがバーンと大きいデブリ(宇宙ゴミ)に当たって、また破砕して連鎖反応的な仕事を起こすだけで世界は1960年代戻ってしまう。
――危機管理においてもゴミは早く取り除かないと駄目なのか。
アストロスケールホールディングス 岡田光信社長:
いち早くやらなくてはいけないので、我々は焦っている。本当に焦っていて、我々が本当に頑張らないと間に合わないのではないかと思っているので、チーム全員で頑張っていきたい。