「逮捕劇の裏にCIAやMI6がいると考える」
パベル・ドゥロフCEOは政府と対立した後ロシアを離れ、テレグラム設立はUAEのドバイだ。今回はアゼルバイジャン訪問中にプライベートジェットでパリに食事に行った。8月24日、空港に降り立ったところを逮捕された。28日には約8億円の保釈金で保釈されたが、出国禁止。週2回警察に出頭して取り調べが続くという。
パベル・ドゥロフCEOとロシア政府の関係は良くないとされているが、今回の逮捕劇を受けロシア・ラブロフ外相は「ロシアとフランスの関係が最悪になった」と述べている。
フランス・マクロン大統領は今回の逮捕に「政治的な決定はない」としているが、インテリジェンスに詳しいイギリスのシンクタンク『RUSI』の秋元千明氏は「西側情報機関の影を感じる」という…。

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)秋元千明 日本特別代表
「フランスは今年の3月(パベル・ドゥロフCEOを)指名手配してるわけですよ。それをわかっていながらあえてフランスに行った。アゼルバイジャンから3800キロ離れたパリに指名手配されてるのをわかっていて食事に行くか?ではなぜ行ったのか、非常に不可解。実はCEOはテレグラムのソースキー(いわばマスターキー)を持っている。テレグラムは普通のSHSと違ってプライベートチャットとかダイレクトメッセージという非常に秘匿性が高い暗号化された機能がある。これは使う人同士しか開けない(だから犯罪に使い勝手がいい)例えればホテルのキー、使う人しか入れない。ですがホテルの管理者は入れる。マスターキー持ってますから…。つまり(秘匿性の高いテレグラムも)CEOはいざという時中に入れる。そのキーを西側に渡すんじゃないかとロシアは警戒している」
実はロシアはウクライナ戦争が始まった時、旧来型の通信システムを使ってた。つまりアナログな通信機で軍事機密をやり取りしていた。これが相手に筒抜けだった。かといって新しくて使い勝手の良い通信システムを軍は持っていない。そこで秘匿性の高いテレグラムのプライベートチャットとかダイレクトメッセージで軍事作戦やドローンで撮影した機密情報などをやり取りして来たというのだ。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)秋元千明 日本特別代表
「つまりテレグラムはロシア軍にとって最も重要な通信手段で、代わりになるものはないんです。だがらロシア側は騒いでるんです。そしてそれは西側にとっては非常に興味深い情報なんですね。(中略)西側からソースキーを渡せという司法取り引きがあったかどうかは分かりませんよ。でもロシアは疑心暗鬼になりますよ。もっと言えばこの逮捕劇の裏にはアメリカのCIAやイギリスのMI6がいるとロシアは考える。つい最近確認は取れてませんがロシア当局が各政府の部門に対してテレグラムの通信履歴を削除するように伝えたと…」














