結局は予知できない地震、 “確率1%未満”で起きた熊本地震

1階が押しつぶされた住宅(2016年熊本県益城町)

2016年に起きた熊本地震は、約30年の地震発生確率がほぼ0%~0.9%という1%未満の確率の中で発生した。地震リスクが低いとされる場所、高いとされる場所、あるいはまったくの未知数の場所、そこで暮らす人たちには危機意識の差がある。

産業技術総合研究所地質調査総合センター・宮下室長さん「マグニチュード5でも足下で地震が起きれば危険です。自分の住む地域の近くにどんな活断層があるかまずは確認してください。地震で亡くなる人は倒れた物の下敷きになってしまうことが多いので、家の中のもので倒れてくるものを確認してほしいです」

生死を分ける身近な備えは「固定」すぐに取りかかりたい5つのポイント

家具固定のポイント

・二段重ねの家具類は、上下を平型金具などで固定する
・柱や壁に固定する場合は、L型金具とモクネジで家具の上部を固定する
・ガラスに飛散防止フィルムを張る
・吊り戸棚などの開き扉は、掛金などにより扉が開かないようにする
・食器棚のビン類などがすべり出さないよう防止枠を設ける


東京消防庁が東日本大震災の後に実施した発生時の行動アンケートによると「火の元の確認」をあげた人が多い反面、意外にも「身の安全をはかる」と答えた人は少なかった。揺れを感じたら、物が倒れてこない空間に身を寄せることが生死を分ける。そうした空間を事前に確保するための身近な備えが「固定」だ。

また、自分が住んでいる地域の断層や危険度は政府のホームページに載っている(地震本部: https://www.jishin.go.jp/ )。ただし、発生確率がほぼ0%と記載されていてもあす地震が起きない保証はどこにもない。9月は台風シーズンのまっただ中だ。「後回しにせず、台風と同じように地震にも注意」、宮下室長の言葉を思い出したい。