暑さで何が変わった?10年前と比較してみると…

暑さで何が変わったのか、2024年と10年前で比較してみます。

▼年間の猛暑日数(東京)
10年前 5日→2024年 19日

▼熱中症の搬送人数(全国)
10年前 約4万人→2024年 約8万3000人(9月1日時点)

▼公立小学校の空調設置率(全国・普通教室)
10年前 35.8%→2024年 95%(2022年9月時点)

またテレビの現場でも、帽子や日傘などを使って中継をすることが当たり前となりました。

日比麻音子キャスター:
もう今や“地球沸騰化”ともいわれていますが、暑さは日本だけの問題ではなくグローバルな問題でもあって、何年もかけて、もっと真剣に向き合わなければいけない気候変動の問題だなと思います。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
間違いなく気候変動の影響が出てきていると思います。

例えば、日本だと台風などで河川が氾濫したり死者が出たりして、目に見えてわかりやすい影響が出ると思いますが、暑さは気候変動としても実感しにくく問題になりにくい課題です。

しかし、熱中症で多くの人が亡くなっていますし、それ以外にも、暑くて働けないなど、生産性が下がるという影響もあります。また、鬱になるという研究もあったりします。

例えばアメリカ・フロリダ州マイアミやギリシャ・アテネなどでは、熱波に対抗するための「最高熱波責任者」という行政の責任者を設置して、地域の暑さ対策をどうするかを考えたりしています。そういうものを日本も考えても良いところに来ているのではないかと思います。

日比キャスター:
「暑さが怖い」と思うようになったことも大きな変化なのかなと思いますね。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破