能登半島地震を教訓に、天草・水俣地域が地震で孤立した場合に備えて、熊本県が海上自衛隊の大型輸送艦などを使った訓練を年内に行うと発表しました。

今年1月の能登半島地震では道路の寸断などで孤立集落が相次ぎ、救助活動などの遅れが課題となりました。

9月5日(木)の定例会見で、熊本県の木村知事は、日奈久断層帯(ひなぐだんそうたい)地震でも天草地域と水俣地域で孤立が想定されるとして、10月5日と12月19日に防災訓練を実施すると明らかにしました。

熊本県 木村敬知事「能登半島地震の教訓を踏まえた孤立対策を実践して、課題を抽出して、一人でも多くの人の不安を除去できるように取り組みたい」

このうち12月の訓練では、海上自衛隊の大型輸送艦が九州電力 苓北火力発電所の岸壁から緊急車両などを降ろします。

また自衛隊車両を乗せた「ホバークラフト型揚陸艦(ようりくかん)」=「LCAC(エルキャック)」が熊本県上天草市の海水浴場に上陸する計画です。

3年前に県が行った訓練では、救助チームを運ぶために必要な大型輸送艦が停泊できる港が天草地域にないことが課題として明らかになり、県は九州電力と連携協定を結び、苓北火力発電所の大型岸壁を災害時に使用できるようにしました。

また10月5日の訓練では、不知火海沿岸の14市町村と図上訓練を実施します。

県ではこれらの訓練を通じて、効果を検証するとしています。