鳥取駅前の「鳥取大丸」の店名が1日から丸由百貨店に変わりました。
70年以上に渡り、街の賑わいの中心として親しまれた「鳥取大丸」最後の営業日を追いました。

               
晴れ間もみえた8月31日、朝の鳥取市。

鳥取大丸 岡周一 社長
「鳥取大丸最後の日に来店してくださるお客様へ感謝の気持ちを、より一層伝えていただければと思います」

「鳥取大丸」として最後の朝礼、そして最後の営業日の始まりです。

入社3年目の社員
「喜んでもらえるような接客をしていきたいと思っています。いつも通りで」

1937年に「丸由百貨店」として鳥取駅前に開業し、1949年に大丸との資本提携により店名を「鳥取大丸」に改称。長年駅前の賑わいの中心として、親しまれてきました。


3階紳士服売り場で接客する高木勝子さん。売り場一筋、42年のベテランです。

鳥取大丸 高木勝子さん
「一番印象に残っているのは一生懸命接客をして、最後に『ありがとう』と言ってもらって、『また来ますね』という言葉をいただいたときですかね、それが一番うれしかったです」

中には鳥取大丸の名前とともに歴史を歩んできたテナントも…
宝飾と時計の店を運営する市内の千金商店です。

千金商店 勝連都さん
「勤務した30年は結構短かったです、あっという間でした。働きながら、結婚もして、子育てもしてみたいな感じだったので」

ピーク時にはおよそ138億円の売り上げがあったものの、郊外型店舗の進出などの影響で経営不振となり、2018年に新会社に事業譲渡。
大丸との資本提携を解消したため、今回の店名改称となりました。


5階では歴史を振り返る写真展が開かれていて、そばには訪れた人たちが書いたメッセージが張り付けられていました。

メッセージ
「子供のころ屋上の遊園地で遊ぶのがとても楽しかった」
「母や姉との買い物…思い出の場所でした、ありがとう」

市民(70代)
「二十歳の時に傘を買ってもらったんです、折りたたみ傘を。すごい高かったんですよ、それを買ってもらって、それをまだ使っています」

そして、迎えた午後7時前。
店員が客を見送る出入口、その前には、「鳥取大丸」との別れを惜しむ多くの人が集まっていました。


鳥取大丸 岡周一 社長
「ただいまを持ちまして、72年に渡る鳥取大丸の営業を終了いたします。長年のご愛顧に対し、改めてお礼を申し上げます」

「丸由百貨店」として新たなスタートを切る「鳥取大丸」。リニューアルオープンは3日です。