山口県警などの合同捜査本部は5日、輸出入が禁止されている北朝鮮からシジミを輸入したとして、埼玉県の水産物の輸入販売会社と、当時の代表取締役ら3人を、外国為替法違反の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、埼玉県の水産物の輸入などを行う貿易商社と、当時この会社の代表取締役だった中国籍の男(37)、当時この会社に勤めていた日本人の男(64)、別の会社で役員の中国籍の女(60)です。

警察によりますと、3人は共謀して2020年1月23日、経産大臣の承認なく、北朝鮮を原産地とするシジミ1万7960キログラム(輸入申告価格343万2467円)を、山口県の下関港から輸入した疑いが持たれています。シジミは中国の関係者を通じ、韓国を経由して、国内に「ロシア産」として持ち込まれたとみられます。

この会社は、これまでにシジミをロシア産として34件輸入していて、合計約3300万円の利益を出したとみられます。

合同捜査本部は2022年12月、北朝鮮産のシジミを国産として販売した不正競争防止法違反の疑いで、山口県下関市の商社など、全国数十か所の家宅捜索を行っていました。

また門司税関は、会社と3人を、北朝鮮産シジミをロシア産とする偽の原産地証明書を税関に提出し、虚偽の申告で輸入した関税法違反の疑いで、山口地検に告発しました。

警察では不正なルートを通じて、北朝鮮に金が流れていた可能性もあるとみています。